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Conversations with

Takashi Kumagai

BY ジゼル・ゴー & フィリップ・テリアン

Courtesy of Takashi Kumagai

この時代を生きるルネッサンス・マンを代表するような人物がいるとしたら、それはまさに熊谷隆志を指していると思う。彼はフォトグラファー、スタイリスト、クリエティブディレクター、インテリア、ファッションデザイナー、など様々なタイトルの帽子をかぶる人物だ(タイトルだけじゃなく、実際の帽子もたくさんかぶっている)。幅広いセンスを着こなす彼は、20年以上もの間日本のファッションやスタイルシーンに影響力を及ぼしてきた。

熊谷氏の空間に入るということは、彼の美的センスを理解するということだ。彼のショップは旅の土産、先住民族の文化から用いたテクスチャー、90年代前半のアメリカン実用的スタイル、そしてとにかくたくさんの緑色で彩られている。彼は触れる全てのものにおいてボヘミアンな味見を追加し、このようなナチュラルで多様なインフルエンスが混ざったスタイルを完成させている。特に、自身のファッションブランド、Naissanceと、東京から1時間距離にある葉山の自宅では、そのスタイルがもっと際立つ。

スタイリストやサーファーとして活躍している彼と、都内で会い会話を交わした。サーファー特有のリラックスした出で立ちを持つ熊谷氏は、落ち着いた雰囲気を醸し出していて、フランス語、英語、日本語を自由自在に使いこなしながらお気に入りの旅先や好きな香りについて語ってくれた。

どのような経緯でファッションを始めるようになったんですか?

はじめは日本のファッション専門学校ESMODに通っていました。そこからパリのESMODに移り1年間過ごしました。デザインを勉強していたから、卒業後はデザイナーとして仕事を見つけたいと思っていた時に、パリであるスタイリストに出会って彼のアシスタントとなりました。でも3ヶ月で辞めちゃったんですよ!(笑)それからはRalph Lauren(ラルフローレン)とNike(ナイキ)みたいなストリートカジュアルスタイルのショップを日本で始めました。バイヤーがアメリカに直接買い付けに行って、安いブランドのアイテムを国内に持って来て、3倍くらいの価格で売っていました。結構有名な店でしたよ。2年間お店をやってから、24歳にはスタイリングも始めました。

熊谷氏が手がけるブランド、NaissanceのAW17のコレクションから / ニューメキシコのサンタフェにて

 

「どこが自分の前世なのかわからないから、新しい場所を訪れたら「ここかも。。。」と思ったりして。。。もしかすると[前世は]モンゴルかな?まだ行ったことないけど、行ってみたいですね!」

ファッションへの興味はいつから持ち始めたんですか?

家族が江戸時代の前からの16世代に渡る鉄職人だったんですよ。だから赤ちゃんの頃から考え方が典型的では無かったですね。色彩感覚が他の人と違って変だなとは思っていて、家の壁紙がグリーンだったり、マリメッコだったり、子供の頃からそのような環境で育って来たのもありますし、また、母親がすごくファッションが好きだったのもあって、小学校5〜6年の頃からファッションに興味を持ち始めました。

熊谷さんの物に対するセンスがすごく好きです。ナバホ族やモロッコ、ジャパンとサーフカルチャーまで色々な背景からビジュアルのインスピレーションを受けていますよね。

若い頃、どこが自分の前世なのかわからないまま、自分の前世の場所を探してバックパックをしていて、新しい場所を訪れたら「ここかも。。。」と思うような旅に回っていました。ナバホを訪れた時は、違うなって思って。アラスカに行ってみても、やっぱり違うなって。もしかすると[前世は]モンゴルかな?まだ行ったことないけど、行ってみたいですね!

パリに住んでいた頃は、出会うフランス人とヨーロッパ人の度に、「ユーラシア出身だろう!顔がユーラシアンだよ!」と良く間違われてたんですよ。でもウズベキスタン、カザフスタン、アゼルバイジャンとかユーラシアには行ったことなくて。だから死ぬ前に行ってみなきゃ、チェックだね!

熊谷さんのショップ、CPCMに置かれている陶器の大ファンです。このようなアーティストや職人たちはどうやって見つけているんですか?

アーティスト一人を選んでLAに行ったりニューヨークに行ったりしています。最初は一人だけを見つけて、そこからはとにかくコネクションです。インスタグラムでも新しい発見は良くあるので、チェックします。でもたまに嘘つくんですよインスタグラムのブランドって!(笑)

 

本人こそがスタイルミューズ:熊谷氏の多彩なセンスは自身のブランド、Naissanceで一番良く表れている

「有名なブランドは好きじゃないので、使わないです。いつもカリフォルニアで訪れるオーガニックキャリアーがいて、彼らから少しもらっています。好きな香りはラベンダーとシダーです。」

一番好きな旅先トップ3は?

サーフィンが好きなのでハワイとオーストラリアは好きです。でもトップではないですね。メキシコは大好き!コスタリカは行ったことないけど行ってみたいです。バリは行き過ぎたし。。。インドのバンガロールとケーララもすごく好き。38歳の時には1ヶ月間インドでアーユルヴェーダを受けましたね。

日本では田舎に住んでいるから旅する必要はないです。伊豆とか行かなくても、葉山に住んでいるから周りは自然に囲まれています。

東京から葉山へ引っ越した理由は何だったんですか?

ナイトライフが好きすぎて、35、6歳まで夜遊びをしていたんですよ!でももうそんな風でいたくないと思って、3年前サーフィンを始めたことを機に完全に変わろうと思いました。あまり飲みたくないから東京にいれないんです!

熊谷さんは長年日本のクリエイティブ業界で仕事をしていて大きな影響力をお持ちだと思いますが、日本のクリエイティブは今後どうなると思いますか?

昔はクリエイティブにおいて日本と他のアジアの国の間で大きなギャップがあったんですよ。でも今はアジアの人たちが追いついて来ているから、その差が少ししかないですね。逆にSNSに関しては日本よりも早いし、トレンドが中国の方が早かったりもしますよね。あとアジア人は日本人よりも洋服を買うって言うのもありますし。ある意味、もう日本がおしゃれの先進国だとは言えないと思います。日本は奢らないで、もっと謙虚に職人技とか技術を構築すれば良いんじゃないですかね。それが今の25歳前後の子達がそうなっているから、ニュージェネレーションの日本人は面白いと思いますよ。40から上の世代や、25以下は繋がっているけど、30代は全然だめ。パワーも情熱もないですね。車も欲しがらない、運転もしたがらない、家も欲しがらない、セックスもしたがらない。本当にそう!

 

熊谷氏が制作を手がけた自身のショップ、CPCM用の写真とスタイリング

デイリーで行なっている習慣やリチュアルはありますか?

ヨガですね、5分から10分くらい。あとは歩いてます。週3回に1時間くらい、一万歩を葉山の自宅の周りで。

セルフケアの製品だと何を使われてますか?

有名なブランドは好きじゃないので、使わないです。いつもカリフォルニアで訪れる[自分たちで製品を製造している]オーガニックキャリアーがいて、彼らから少しもらっています。化粧水とクリームしか使いません。好きな香りはラベンダーとシダーです。

 

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