DAMDAM

Conversations with

Patrick Stephan

BY ジゼル・ゴー & フィリップ・テリアン

Photographed by Sandro Oliveira

Patrick Stephan(パトリック・ステファン)からはいつでもブルターニュの名残を見つけることが出来る。

今パリに拠点を持つ彼は、ブルターニュの海岸沖にあるイルウェサン出身だ ー 荒涼とした地形と灰色がかかった海が特徴的で、風と雨が激しく、頑丈なブルトンのマリニエールでしか耐えられないような気候の地である。華やかなデザインで有名なジョン・ガリアーノのもとキャリアを積み、常に晴れているメキシコでの生活を経たにも関わらず、Patrickの作品には厳粛なブリュターニュでの育ちを連想させるミニマリストな感性がこもっている。彼がデザインするコレクションの服やアクセサリーは、くすんだ灰色や黒を基調にし、着る主しか気づくことの出来ないシルエットや隠れた秘密のディテールに集中している。まさにそんな厳格さや職人技への興味が彼を日本へ導いた。最初は住民として滞在し、パリへ帰国後は日本でアクセサリーのアトリエを営んでいる。

近年のPatrickの作品には軽やかな洗練さが染み込んでいて ー 服のデザインには密かなニュアンスが漂い、個人的な日記のページにそのスタイルはもっとはっきり表現されている。通常は落書きと見過ごすダイアリーも、Patrickの手に掛かれば芸術作品へと化す。彼の日記には、コラージュアート、カリグラフィー、究極に乾燥させた野花が共存し、ワンページを占めている。まさにそんな彼の繊細な感性が私たちをPatrickへ導いた。DAMDAMでハンドメイドのコラージュを一緒に制作し、広い領域で活躍中のデザイナーである彼に、最後に東京に訪れた時に話を聞いた。

自分のことについて少し聞かせてください。

まず僕はデザイナーです。服やアクセサリーを作ったり、クライアントのオーダーメイドも手がけます。最近は新しい域にももっとオープンになりたくて執筆も頻繁にしています。特に日記を書くことにとてもハマっているので、ストーリーテラーにもなってきています。

僕が生まれたイルウェサン島はとても厳格な環境でした。修道院やカトリック教会のような硬さがありました。日常生活はグレー、白、黒で覆われていて、ある意味とても純粋な感じの色合いでした。祖母のスカーフに刺繍された花を見たことを今でも覚えています ー それは、ファンタジー、色、夢、女性らしさへ導く小さな入り口でした。その頃は、祖父母のクローゼットを開けては、素材の繊細さや父のジャケットの裏地を手先で感じたりしていました。僕のインスピレーションは自分の背景から来ることが多いです。ナフタリンの香りや枕元のラベンダーなど、全て香り、記憶、嗅覚に基づいています。

日記を書くのはとても良い習慣ですね。どうやって始めるようになったんですか?

7、8年前に自然と始めるようになりました。ベッドに横になって自分と向かい会話をすると、とても良いヒーリングになるんです。新しいMoleskineプランナーを始める時は、その日の日付とその瞬間のシチュエーションを記録します。環境的な内容じゃなくて、自分が真っ只中にいる「人生の瞬間」です。

コラージュ製作用の逗子での撮影 / DAMDAMのために作られた最終アートワーク。ドライフラワーや手書きのノート、そしてパトリックの個人の手帳から抜き取ったページも。

「日記を書くのは、7、8年前に自然と始めるようになりました。ベッドに横になって自分と向かい会話をすると、とても良いヒーリングになるんです。」

なぜ日本に来ようと思ったんですか?

2000年の初めに、アーティストSerge Lutens(セルジュ・ルタンス)の個人のアートワーク、資生堂でのキャンペーン、クリスチャン・ディオールでアートディレクターとして就任していた頃の過去作品が展示されていたパリの装飾芸術美術館を訪れたのを覚えています。彼の作品にすごく魅了されました。フランスの重くて装飾が多いクチュールとは全く違う、ミニマルなところがとても印象的でした。展示されていた黒い漆箱のミニマルさと美しさは、まさに自分が追求する美的感覚を表現していました。その時に日本と西洋の架け橋を見つけることが出来たんです。

美に対する見方について、日本とフランスの違いは何だと思いますか?

フランスでは付け足しが多いです。物語を語るのが大好きなので、たまには過剰に派手だったり重くなりすぎたりもするので、僕はもっと純粋な形のものが面白いと思いました。日本だと線へのこだわりやミニマリズムが中心となっています。この二つのスタイルの間に存在するパラドックスはとても興味深いですね。

日本の職人が手がけたパトリックのアクセサリーコレクション。

「フランスでは付け足しが多いです。物語を語るのが大好きなので、たまには過剰に派手だったり重くなりすぎたりもします。日本だと線へのこだわりやミニマリズムが中心となっています。この二つのスタイルの間に存在するパラドックスはとても興味深いですね。」

今まで東京、メキシコ、パリなど、様々な場所に在住されたかと思いますが、一番好きな旅先はどこですか?

この間はLAですごく楽しい時間を過ごしました。次はモロッコに行ってみたいと思います。次のクリスマスにはブラジルですね。大好きです!

一日の始まりと終わりに思うことは何ですか?

朝はオープンな気持ちで一日を始めます。良い日は、夜に「ありがとう」の気持ちで一日を締めます。最近は「ありがとう」がもっともっと増えてきました。

朝を始めるリチュアルはありますか?

キャンドルをつけることです。あとインセンスも。結構習慣的にしています。気持ちが落ち着いてすごく好きです。朝を始める起点となるのですごく重要なルティーンです。

 

This or that

ファッションウィーク、それとも田舎での週末?もちろん田舎での週末です。本物の牛の方が好きです!

シャワー、それともお風呂?時間をかけて入浴することにロマンスがあるのでお風呂と言いたいですけど、でも結局シャワーになっちゃいます!

コーヒー、それとも紅茶? コーヒ 夜、それとも昼?

家にいるか、それとも出かける? 家が好きです ジュース、それともお酒?ジュース

ランニング、それともヨガ?ランニング 友達、それとも恋人?友達。じゃないと良い恋人にはなれないです!

Looks from a previous RTW collection by Patrick Stephan. Patrick Stephanの過去RTWコレクションからのルック。

「DAMDAMはとても親密です。とても人らしく、飾り気がないです。喜び、自然、そして感情、自分が愛するものが全て詰まっています。例えばこの間、自宅のバルコニーでトマトを育てていると言っていましたよね。僕はとても人間らしい、そのような会話とストーリーに惹かれます。」

使うセフルケアの製品はどのような基準で選んでいますか?

ベーシックな製品を使っています。ナチュラルなものが好きです。ハンドソープは、使う仕草、形そのもの、飾る皿など、色んな要素においてとても好きです。正直、ナイトクリームは使わないです。あまり必要性を感じません。歳をとるにつれ、ものに囲まれる生活を好まないようになりました。香水もつけません。Serge Lutensの香水をつけていたのですが、それも3年前からはやめました。今は服を洗うことや、枕やシーツの香りにもっと敏感です。エジプトコットンにつくラベンダーの香りが大好きです。

Patrickさんと一緒にコラボすることができとても嬉しいです。DAMDAMのプロジェクトを引き受けた理由はありますか?

自分の勘に従いました。DAMDAMはとても親密です。とても人らしく、飾り気がないです。喜び、自然、そして感情、自分が愛するものが全て詰まっています。例えばこの間、自宅のバルコニーでトマトを育てていると言っていましたよね。僕はとても人間らしい、そのような会話とストーリーに惹かれます。

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