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Conversations with

Julia Chaplin

BY ジゼル・ゴー & フィリップ・テリアン

Photographed by Julien Capmeil

Gypset(ジップセット)というシリーズの著者、Julia Chaplin(ジュリア・チャプリン)は、数年前、私たちが彼女の本をコレクトし始めて以来ずっとインタビューをしたかった人物だ。ジャーナリスト、ワールドトラベラー、現代の人類学者など複数ものタイトルを持つ彼女は、「Gypset」という今はユビキタスな単語を造語した本人である。ジュリアによると、Gypsetは半遊牧的で一般とは少し異なる人生を生きて来たアーティスト、ミュージシャン、ファッションデザイナー、サーファー、美食家などによって始められたコンセプトで、彼らは人生においてハイ&ローのアプローチと、遊牧民のような生活とジェットセッターの優雅さを完璧にマスターした人物たちである。ジュリアは、Assouline(アシュリン)社から発行されている3部作のGypsetシリーズに、お金ではなくクリエイティビティに基づいた生き方と旅の仕方について綴っている。典型的なGypsetter(ジップセッター)はラグジュアリーホテルではなく、モンタークでサーフィンをしている姿や、イビザのティピーで見つけることができる。Jade Jagger(ジェイド・ジャガー)やDamien Hirst(ダミアン・ハースト)から、Ubud(ウブド)やByron Bay(バイロン・ベイ)まで、彼女は自身のシリーズ、 Gypset Style、Gypset Travel、Gypset Livingに全てを記録している。

まさにGypsetの標本とも言えるジュリアの発見や未知の世界への追求は、旅と風変わりな道がどれだけ私たちの魂に良い栄養を与えてくれるのかを気づかしてくれる。Gypset導師である彼女に、スカイプの画面越しで話しを聞いた。

自分について少し聞かせてください。どうやってジャーナリストとして始めたんですか?

ジャーナリストとしての経歴は長いです。子供の頃は父がライターで、ワシントン・ポストのジャーナリストをしていたため、色んな場所に住んだ経験があります。元々は東海岸のフィラデルフィアとボストン出身なのですが、キーウェスト、フロリダ、バハマ、メキシコ、カリフォルニアなどを転々していました。結構プレッピーな家族だったんですが、両親はヒッピーで、探検をしたいと思ったそうです。

私がジャーナリストになりたいと思ったのは父の影響が強く、たくさん旅ができるような仕事だと思いました。一つのことに限らず、興味があることはなんでも探ることが出来そうだったので、ジャーナリストの道に惹かれたんです。

Ana Luiが撮影した Julia Chaplin

ニューヨークの自宅で

Gypsetというコンセプトはどうやって生み出されたんですか?

大学卒業後、ニューヨークへ移住し雑誌社で仕事をしていたんです。最初の職場はHarper’s Bazaar(ハーパーズバザー誌)でした。音楽雑誌のSpin(スピン)や、Elle(エル)など、色々な雑誌で経験を積みました。それからはエディターよりもライターとしての役割が増え、NYタイムズのスタイル欄を任されることが多くなりました。ファッションショーやアカデミー賞、カンヌ国際映画祭など、グラマラスなイベントに行く機会は多かったのですが、徐々に退屈になって来たんです。子供の頃から自分がやろうと思ったことは最善を尽くすべきという理念だったんですが、実際仕事をしてみてそこまで楽しいと思わなくなり、何か他のことをやってみようと思いました。ある意味アイデンティティ探しみたいなもので、自分のヒッピーな生い立ちと、ニューヨークでのグラマラスな生活をうまく混合できないかと考えました。ニューヨークに飽きて、とにかく世界中を旅し始めました。数年かそれをやり続けて、私と似たような人々が世の中にいることに気づき、そんな類の人たちをGypsetと名付けることにしたんです。

それからのこと、3冊の本を出しました。最初の本が発行されたのは2009年で、一番最近出版されたのは2、3年前です。面白いことにGypsetの規模はどんどん広まっています。特に2008年のリーマンショックが人々を独立的思想家にしたことに一役買ったと思われます。人々は企業から与えられる安定感はもう当てにならないため、自分に頼るしかないと気づいたんでしょうね。また、インターネットの存在も誰もが起業家になれるようなプラットフォームを提供してくれました。インターネットの台頭やリーマンショックなどの環境的要素によって、人々は独立的思考をするようになったんだと思います。

また面白いと思うのは、Gypsetは元々Jet-set (ジェットセット)に反するコンセプトとして始まったのにも関わらず、今は二つのコンセプトが横並びとなり、多くのJet-setがGypsetと一体化されています。例えばウルグアイのホセ・イグナシオへ行くと、Jet-setのような人達が裸足で歩いていたり、ヨガをしていたり、火の周りに座って曲を歌ったりしているんです。90年代初期だったら考えられない光景なんですよ。その前はもっとサン・トロペのようなロゴスに紐づいた感じの雰囲気でした。それがいきなり皆Gypsetの方向へ傾くようになって、その範囲がどんどん大きくなっていて、とても嬉しく思います。活発なフェス文化やWellness Movement(ウェルネス・ムーブメント)もGypsetにとっては良いニュースですね。結局全て繋がっているんですよ。もっと主流になって来ているのも良いと思います。

Assouline社から発行されている「Gypset」の三部作

「Gypsetの規模はどんどん広まっています。特に2008年のリーマンショックが人々を独立的思想家にしたことに一役買ったと思われます。人々は企業から与えられる安定感はもう当てにならないため、自分に頼るしかないと気づいたんでしょうね。」

Wellness MovementがGypsetの拡散にどのような貢献をしたと思いますか?

今また新しい本に取り掛かっています。Gypsetシリーズではないのですが、本の中にGypsetsが一部埋められています。まだ仮のタイトルなのですが、「Bohemian Handbook(ボヘミアン・ハンドブック)」と言って、ボヘミアンカルチャーを幅広い観点から捉えて、フードや、農業、ウェルネス、現代の起業家精神など様々なチャプターを準備しています。本を執筆していて面白いと思うのは、トラベルやスタイルの観点から見ると、レジャーとホスピタリティーの域内で、生活の質を上げるための情報や有機農業などの情報が、音楽フェスティバルやホテルで過ごす週末みたいに、レジャーアクティビティの一部と捉われていると言うことです。

この間ニューヨークの北部にある隠れ家的なホテルに行って来ました。立地の所有者が農園を買ってホテル兼馬小屋を建てていて、週末には皆でそこを訪れ、新しい人々に出会い、有機農業について教えてもらうんです。農夫の方に種の蒔き方を教わったり、料理人の方にディナーをご馳走になりながらターメリックのようなスパイスの起源について話してもらったりもしました。要するに、現代は食事、ヨガ、アクティビティを別々のカテゴリーとして分けるのではなく、全てが一緒に混合した感覚のコンセプトになっているんです。

「Gypsetは元々Jet-set (ジェットセット)に反するコンセプトとして始まったのにも関わらず、今は二つのコンセプトが横並びとなり、多くのJet-setがGypsetと一体化されています。例えばウルグアイのホセ・イグナシオへ行くと、Jet-setのような人達が裸足で歩いていたり、ヨガをしていたり。。。Gypsetがどんどん大きくなっているのをとても嬉しく思います。」

ニューヨークにあるJuliaの自宅は、高い天井と低い家具の配置によって空間を最大に際立たせており、彼女の旅に対する愛や半遊牧的なライフスタイルを反映している

普段気をつけているウェルネス習慣はありますか?

瞑想をしているんですけど、一日12分が最大ですね。結構せっかちな性格なんです。運動はヨガと、ニューヨークにTaryn Toomeyと言う人が行うクラスに通っています。Tarynはヨガインストラクターで、このクラスはヨガの基本を用いてする有酸素運動なんですよ。今ニューヨークではこのように、ヒーリングに繋がるエクササイズを望んでいる人たちがたくさんいます。最初ヨガの人気が出始めた頃は、エクササイズへのアプローチが追いついていませんでした。今は色んな人たちが有酸素含め、運動に対してもっと大胆で積極的な姿勢をとっていると思います。今アメリカで盛んな行動主義の動きに伴っているのかも知れないですね。皆アクティビストになって来ているから情熱があって、エクササイズにおいても効率良く取り掛かりたいと感じているんだと思います。

どれくらいの頻度で旅に出るんですか?

旅行は結構している方だと思います。季節性のトラベラーなんです。夏と冬に特にたくさん旅に出かけます。7歳の娘がいるので学校が開いている時期は娘のスケジュールに合わせますが、去年の冬とかはメキシコで過ごしました。秋は他の季節に比べて動きが少ないです。秋にはニューヨークでアートやファッションなどで色々なイベントがあるので、ニューヨークにいるのが一番好きです。ニューヨークの秋はアイデアが溢れ出す時期なので見どころ満載なんですよ。

Ana Luiが撮影したJulia / Gypset Styleのページより、Anne Menkeによって撮影されたMignot姉妹

まだ本では触れていないGypsetの旅先で一番お気に入りの場所はありますか?

今年の夏をイタリアのパナレーア島で過ごしました。あそこの小さな島が大好きなんです。あとはカリフォルニアのOjai(オジャイ)ってところも好きで、まだ本には入ってないんですけど、これから記載しようと思います。今Ojaiでは、アートとフードの場がとても活発で面白いです。ずっと成長し続ける場所ってありますよね。モロッコのタンジェも注目していて、シチリアの小さな島ファヴィニャーナ島と、ハバナも最高です。コスタリカのサンタ・テレサも — まだ本には書いていないので、これからですね。本当たくさんありすぎます!

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